オーガニック

Organic 2006

Lithuanian Fusion
20 Feb 2006
夜は-20度と体の芯まで冷え込むリトアニアの首都ヴィリニュス。そんな街の一角でアフリカン・ビートが聞こえてくる。小さなバーに集まった人々は結成して間もないアフロバンドの音に酔いしれている。グループは国営テレビやラジオのトーク・ショーにも出演して移民や地元ミュージシャンとのジャミングについて語る。リベリア、ナイジェリア、トーゴ出身の4人のバンドはリトアニアの移民センターで結成された。バンド・リーダー以外はまだ、リトアニアのヴィザを持っていない。アフリカやアジアから集まり始めている移民たちは稀に路上で鉢合せするが、リトアニアの首都でさえ移民たちを見かけることは珍しい。
リード・ヴォーカルのプラッツィは「僕達がさらけ出すものはリトアニアの人たちの移民に対する考えを変えていると思う」「それは簡単なことではないよ。僕達は極少数派で、ほとんどの人が黒人を見るのは初めてと言うような顔で僕らを見る」「でも、僕らのしていることは彼等に興味を与えているから、良い関係を保てるんだ」と言う。バンドのメンバーたちはリトアニアの滞在許可を取得し、そこで自分の将来を築きたいと考えている。「僕らの音楽はアフリカで生まれたのではなく、リトアニアで生まれたフュージョン」とプラッツィは最後に語った。彼等の音楽的キャリアがどうなるにせよ、アフロバンドの人気は初めて移民を迎え入れているリトアニア文化の変革の証と言えるだろう。