オーガニック

Organic 2006

India's feisty woman
22 Feb 2006
インドの触れられたくない一面のカースト制度。現在、法的には廃止されたこの職能を基にした制度の最下層にムサハール(Musahar)はある。ネズミを食べることでも知られているムサハールはとても貧しい。彼等は地主の耕作地から食肉動物を除去し、それを食する。(ヒンズー語でmusはネズミ、 aharは食べ物を意味する)そのムサハール出身の女性ギリジャ・デヴィ(Girija Devi)さんが2月27日、女性たちの人権と男性のアルコール中毒を代弁するために5人の女性を伴って国連での国際会議に出席すことになった。
現在ビハール州で生活するムサハールはおよそ130万人。彼等の識字率は1%以下、98%は土地を持つこともなく、耕作地で働くのも年間4ヶ月程度。男性はその安い賃金の半分以上を地元で醸造された酒に浪費し、女性や子供を傷つけていた。しかし、数年前からのデヴィさんらの活動で状況は徐々に改善している。夫は妻を敬い、村には小学校が造られ、良質の飲料水も確保できるようになった。それでも、疲れを知らない彼女は自分の成し遂げたことに満足はしない。
すでに地元の村評議会のメンバーに選ばれているデヴィさんは、より多くの人々の為に働くことのできる州議会に立候補することを望んでいる。そして今、国連という場を通して世界の目をビハールに向けさせようとしている。もちろん、そこで彼女はローカルなビハール方言で話をするに違いない。
(註:ギリジャ・デヴィ(Girija Devi)さんはインド古典声楽界の有名なアーティストGirija Deviとは別人です)