オーガニック

Organic 2006

Dirty Water
大気汚染でも有名なメキシコ・シティーの人口は二千万人以上。メキシコの人口の20%が集まる標高2,240mの大都市は深刻な水不足に悩んでいる。
かつて、この都市を豊かにしていた五つの湖の一つテスココ湖(Texcoco)は南北約65kmにわたる大きな湖であった。しかし、今は南北20km、東西10数kmほどが残っているだけ。足を踏み入れればバリバリと音をたてる、その乾ききった土地には何も育たなくなった。
人口増加と都市への一極集中、そして70年間という長期政権による腐敗政治は地下水の過剰使用を放置し、限りある水のリサイクルにも失敗した。その結果、肥沃な土地を不毛の砂漠に変えてしまったのだ。現在、メキシコ・シティーのほとんどの住民は週に1時間の給水割り当てがあるのみ。しかも、その水は飲むには安全とは言えない。そして、メキシコは世界で最も多いビン詰め飲料水の消費国の一つになった。
「もし私たちが何もしなければ、私たちは重大局面に陥るだろう」と、メキシコ・シティー水資源委員会のマルタ・デルガド女史は言う。「水が非常に高価なものになるか、それとも、もっと悪質なものになるか、それはここ、メキシコ・シティーですでに起きている」とも語った。
街の汚水処理場からは異臭が漂うメキシコ・シティーの水のリサイクル率は10%以下。ほとんどの雨水も活用されない。世界で一日平均6,000人の子供達が汚い水を飲んで命を落としている今、水フォーラム(Water Forum)はアステカの地でその解決策を示さなければならない。
16 Mar 2006