オーガニック

Organic 2006

Biggest record of ozone hole
南極上空のオゾン量は毎年太陽が出始める春先から減少し、10月初めに最小になる。そのオゾンホールが過去最大を観測したとアメリカ合衆国の科学者が報告している。
太陽の紫外線から地球上の生命を守る高層大気中のオゾン層。その減少によって広がるオゾンホールは今でも深刻な問題には変わりない。その広さは今年9月21日から30日までの平均で2,740万平方キロメートル。面積は軽く北米大陸を上回る。
オゾンホールは主に人間が作り出す塩素(Cl)と臭素(Br)が成層圏に放出されて起こる。1989年1月6日に発効したモントリオール議定書ではスプレイ缶などに含まれるクロロフルオロカーボン(CFC)、いわゆるフロンガスの生産を段階的に排除する方針が定められた。
その後オゾンを激滅させる化学物質の大気中濃度は対流圏で1995年をピークに達し、そして対流圏と成層圏で減少。もし成層圏の気象条件が標準であれば、オゾンホールはおよそ2,300万から2,400万平方キロメートルの大きさに達することが予想されていた。
今年になってNASAの地球観測衛生AURAに搭載しているオゾン監視装置が南極の地表から高層大気までのオゾンの量を計測。加えてアメリカ海洋大気圏局(NOAA)の地球システム調査研究所が気球を使って南極上空のオゾン層を調査した。
その結果、7月中旬には300DU(Dobson Units)あったオゾン量が10月9日には93DUまで激滅していることがわかった。その間に1.2DUという最低記録をも観測した。(DUとは観測地点上空の大気中に存在している全オゾン量を表す単位)
「重要な事はこの調査で地表から13Kmから20Km付近までのオゾンが破壊されていたということである」「これらの数値はこの層でオゾンが事実上消滅している事を示す」とNOAAの研究者はいう。
温度が下がると拡大するオゾンホールの広さと厚さは年々変化する。研究者は2001年をピークに南極での化学物質の濃度は減少していると計算した。しかし、一度放出された化学物質は長い間大気中をさまよう。2050年と言われていたオゾン層の回復はさらに2065年へと延ばされた。
25 Oct 2006