オーガニック

Organic 2007

A couple in the conflict
26才のジャスミンはイスラエルのユダヤ教徒。彼女の夫で27才のオサマはパレスチナの回教徒。彼らは3年前にエルサレムで知り合い結婚した。
当初、彼らはイスラエルに住もうとしたが、イスラエル当局は彼らの結婚を認めず、彼らはヨルダン川西岸地区に移った。しかし、そこでも一部のパレスチナ人によって苦難を強いられ、彼らはいまヨーロッパに移住しようとしている。
「私たちにはもうそれ以外に選択肢がないの」「この問題に打ち勝てると思っていた私たちが世間知らずだったわ」と、諦めの表情でジャスミンはいう。
イスラエル人の妻を連れ帰ったオサマは裏切り者あつかいされ、脅迫された。「母国にいても自分がよそ者に思えてしまう」「ここは人々が殺しあう失われた聖地だ」と、オサマは石壁の向こうに点々と植えられたオリーブの木を見つめながらいう。
イスラエルでもパレスチナでも彼らの結婚は受け入れられなかった。ジャスミンのパスポートには婚姻状態が調査中と記載されているだけである。「私たちは恋に落ちて結婚した」「それはごく普通に人間的なものなのに、周りの社会は政治的にしているわ」とジャスミンは訴える。
ここオサマの母国でイスラエル人のジャスミンが動き回るのは容易である。彼女はイスラエル軍の検問所を簡単にパスできるだろう。しかし、オサマは同じようにはいかない。
「かつてユダヤ人は何千年もの間虐待されてきたけれど、今は犠牲者から虐待者に変わってしまったわ」「私には受け入れ難いことだけど、今ユダヤ人は占拠者であり人種差別主義者よ」とジャスミンはいう。
28 Feb 2007