オーガニック

Organic 2008

Wanted an A+
地中海に面したガザ地区とテルアヴィヴの中間に位置するAshdod(アシュドド)は美しい港街である。大きなマリーナがあり、街の中心地にはモダンな造りの美術館もある。夏にはビーチパーティーも盛んに行われる一見平穏な街で、一人の少年がある学校研究課題を試みた。それは警察のリアクションを調査することであった。
15才の少年は父親が使っている軍の作業着を着て、背中には大きなリュクサックを背負い、双眼鏡を手にし、おもちゃのピストルを隠し持って街に出かけた。そして中心街にあるショッピングモールについたとき、あらかじめ用意しておいた目出し帽をかぶったのである。
その姿を見た買い物客たちは爆破装置を背負ったパレスチナの過激派だと思い、すぐさま警察に通報した。たちまち少年は数名の警察官に包囲され、フリーズし、その場で素性を明らかにされたという。
「もし彼がその場から逃げようとしたなら、間違いなく撃たれていただろう」と地元紙は書いた。
アシュドド警察のエルガレット管理官は「少年はいたって正常で、有能な生徒だ」と報告した。その後、少年は保釈金を支払って釈放され、告発もされなかったという。「彼は警察の反応を調査したかったと言っている」「A+の評価を得るためにね」「それはそれで良いでしょう」というエルガレット氏。
近年アシュドドはパレスチナ人過激派グループによって幾度も攻撃されていたが、ここ数年減少しているという。
28 Oct 2008