オーガニック

Organic 2009

Surfing Cox's Bazar
サーフィンといえばハワイやカリフォルニア、オーストラリアのボンダイ・ビーチなどを連想するが、そのスポーツはバグラディッシュまで広がっている。
ベンガル湾に面するミャンマー国境に近いコックスバザール(Cox's Bazaar)はサイクロンと海面上昇の脆弱性によって知られているが、そこには125Kmにも及ぶ砂のビーチがある。そこに住む自称バングラディッシュ最初のサーファー、ジャファル・アラムさんはこのビーチはサーフィンに最適だという。
ジャファルさんがサーフィンをはじめる前、コックスバザールでサーフィンを楽しむのは時折来る命知らずの外国人観光客ぐらいなものだった。10年ほど前ジャファルさんはオーストラリア人の観光客に彼のボードを置いて帰るように頼んだ。男は200ドルで売ると言ったが、ジャファルさんは当時ドルの価値を知らず、現地通貨の200タカを支払って最初のボードを手に入れたという。
「はじめはどうやってボードの上に立つのかも知らなかった」「リーシュもなかったので、転ぶたびにボードを追いかけて泳がなければならなかったよ」と語るジャファルさん。(いま彼の体にはバングラディッシュ人とは思えないほど筋肉がついている)
ある日、ジャファルさんはテレビでサーフィンしているのを見て、次の日の朝それを真似てみたという。そのとき彼の家族は彼のしていることを見て怖がった。そこでは多くの漁師やバングラディッシュの観光客が溺れているし、誰もサーフィンを見たことがなかったからだ。
たいていのバングラディッシュ人は多くのイスラム教徒と同じように泳ぎを知らないし、海にも入らない。ジャファルさんはその後サーフィンが上達し、溺れかけた人を何人も助けたという。
2001年、ジャファルさんは世界をサーフして回るホノルルのサーファー、トム・バウワーに見いだされた。それが大きな機会となり、現在ジャファルさんのスクールには12人の少女を含む43人の生徒がいる。
「コックスバザールはバングラディッシュでも非常に保守的な地域で、女性が人前で男の人と過ごすことは滅多にない」と、ここでサーフィンを広めることはとても難しいというジャファルさん。
そこはビキニやウェット・スーツを着る場所はない。彼らはTシャツとパンツでサーフィンをする。それでもジャファルさんは多くの人がサーフィンを楽しめるよう願っている。「ぼくがサーフィンを始めたとき、波の上にひとりぼっちだった」「いまこのバングラディッシュに何千何万というサーファーを誕生させたい」
1 Jan 2009