オーガニック

Organic 2009

Viking babies
いまデンマークで体外受精する女性が急増している。
愛らしい10ヶ月の赤ちゃんを抱きしめているのはイギリス人弁護士のアビーさん。41才になって彼女はロンドンで体外受精を試みた。しかし、3度試したが成功せず。4度目を申し込むと「もう利用可能なドナー精子がありません」と言われたのだった。その後、彼女はデンマークで不妊症専門医と連絡をとり、体外受精の治療を受けてめでたく陽性反応を得たのである。
デンマークには世界60カ国に精子も輸出している世界最大の精子バンク「Cryos」がある。そのような巨大精子バンクが存在する理由はドナーが匿名で精子を提供できるからだ。他の多くの国では異父母兄弟の関係を明らかにするため匿名で精子を売ることはできなくなった。
コペンハーゲンのある24才の学生はこの1年半、精子のドナーを続けている。彼はお金を得るためと、年2回の健康診断が受けられる理由でドナーになった。「もし、匿名でなくともドナーになったか?」と尋ねると、「たぶんなっていないね」「育った子供に何かしてあげようと思わないし、彼らに何も求められたくないからね」と答える。
値段はその時の精子の質によって上下するが、ドナーは一回の提供で60ドルから200ドルの報酬を得る。一方「Cryos」精子バンクは2007年にはアメリカ、翌年にはインドとフランチャイズをオープンするほど巨大化してゆく。景気後退でドナーの数も増えているという精子バンク。
今やイギリス、ドイツ、スウェーデン、ノルウェー、イタリア、遠くはオーストラリアからも治療にやってくるデンマーク。ある助産婦は「多くの女性は大変困難な決断をしてクリニックにやって来ます」「それが精子を得るのに2年待ってくださいと言われて待てますか?」と語る。
23 Dec 2009