ウルトラヒップ Ultra-Hip

The cassette comes back as art

コンパクトカセット、一般に「カセットテープ」と呼ばれるオーディオ用磁気記録テープがいまイギリスで新しいサウンド・アートとしてデジタル世代のアーティストたちに見直されている。
ロンドンにある「The Tapeworm」は昨年夏からカセットだけをリリースしている小さなレーベルだ。それらの作品は各250と限定されており、そのほとんどが完売しているという。
「我々はそれがもう無用なフォーマットだとは考えていない」「カセットのAサイドとBサイド、そこにはダウンロードされた音にはない失われたアート、いわゆる音楽のシーケンスがある」と語るのはレーベルのフィリップ・マーシャル氏。
レーベルのカセットの中に一風変わった作品がある。サウンド・アーティストのヴィッキー・ベネットが録音したカセットで、フランスの思想家ジャン・ボードリヤールの作品「Le Xerox et l'Infini」(Xeroxそして無限もの )を2人の女性が朗読している。
さらにはデレク・ジャーマンの映画のサウンドトラックを手がけているサイモン・フィッシャー・ターナーのカセットもある。「カセットは子供から大人まで楽しめ、あらゆることができる」とターナー氏はそれを愛してやまない。
今月にリリースされる予定のレコードプロデューサーでもありテクノDJのステファン・ゴールドマンのカセット「Haven't I Seen You Before」はオートリバースでも単純にカセットを裏返しても聞けるように録音されている。「我々は音楽を創るよりもまずその特有なフォーマットで何ができるか考えるんだ」とゴールドマンはいう。
5 Jan 2010

Ultra-Hip

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